リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「やっぱり柚葉はおもしろいな」

白い歯を見せて笑う彼を思わず見つめてしまった。

涼成くんが笑っている。

この前の一瞬だけ見せた笑みじゃなくて、今は心から楽しそうに……。

再会してからは初めて見た。

ふと子供の頃の彼の笑顔を思い出して、胸がじんと熱くなる。

「よかった。涼成くんが笑ってくれた」

思わずそんなことを呟いていた。

すると、涼成くんが笑いを止める。

「俺に笑ってほしかったのか」
「うん。再会してから涼成くんの笑ったところを見てなかったから」

涼成くんが笑ってくれたからといって本来の彼が戻ってきたわけではないと思う。

そんなにすぐに今の自分を変えることはできないだろう。

だけど少しずつ子供の頃の涼成くんを思い出してほしい。

「俺が笑えるのは柚葉が隣にいるからだ」
「えっ」

ふと聞こえた言葉に涼成くんを見つめる。

すると彼は私からすっと目を逸らして、窓の外の夜景に視線を戻した。




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