リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
言葉には出さないけれどその先に進んでも構わない。
きちんと想いが通じ合った今なら、あの夜のように拒む理由はどこにもないから。
「だから早く元気になって帰ってきてね」
「ああ。待っていてくれるか」
「うん」
お互いの気持ちが通じ合い、幸せな気持ちに浸りながらふと大事なことを思い出す。
「そういえば涼成くん、梨央ちゃんとはどういう関係? マンションの前でふたりで会っていたよね」
想いが通じ合ったばかりとはいえ不安になる。
「見てたのか」
涼成くんが呟いた。
「彼女とはなんの関係もない。あの日会っていたのは彼女の婚約者の会社との契約をうちの会社が打ち切った件について話していたからだ」
涼成くんが淡々と言葉を続ける。
「彼女は婚約者の会社との契約を打ち切らないでほしいと俺に直談判してきたが、俺はその件についてかかわっていないからどうすることもできないと伝えた。そもそも契約を打ち切られるだけの理由がきちんとあるのだから仕方がない」
「そうだったんだ」
それを私はふたりが親密な関係だと勘違いしてしまったようだ。