リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「こうやって一緒にご飯を食べていると子供の頃を思い出すね」

私の父が涼成くんのお父様の専属秘書をしていた関係で、私は三つ年上の涼成くんと知り合い、仲良くなった。

涼成くんのご両親は私にとても親切にしてくれて、父子家庭の我が家をいつも気にかけてくれた。

父が仕事で帰りが遅くなる日は多岐川家の自宅で過ごさせてもらい、食事も一緒に食べた。

父が涼成くんのお父様の出張に同行して不在になるときは多岐川家に泊めさせてもらっていたこともあり、子供時代はまるで兄妹のように一緒に過ごす時間が長かったように思う。

「懐かしいな」

涼成くんも当時を思い出しているのだろうか。しみじみとした様子でぽつりとそう口にした。

「柚葉があの頃と変わっていなくて安心した」
「そう? 変わってないかな」
「ああ。見た目は大人になったが、性格は当時のままだ」

自分ではわからないけれど、私は変わっていないのだろうか。

涼成くんと音信不通だった十六年の間に父が亡くなり、伯父家族に引き取られてからの私の生活は大きく変わった。


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