リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


誰もが名前を聞いたことがあるほど有名な外資系高級ホテル。

もちろん足を踏み入れるのは初めて。

光沢のある黒い床と大理石の柱が印象的な重厚感のある空間に圧倒されてしまう。

それに、一流のホテルだけあり館内を行き交う利用客も華やかで洗練されている人たちばかりだ。身に着けているものや、立ち居振る舞いからもワンランク上の生活を送っていることが想像できる。

私とは大違い。

格の違いを思い知らされて、ますますこの場に居づらくなる。

おそらく梨央ちゃんの狙いはこれだろう。

リップなんて本当はどうでもよくて、それを口実に私をここに呼び寄せるのが彼女の本当の目的。

梨央ちゃんとは血の繋がりはないけれど、もう十年以上の付き合いになるのだから彼女の性格や考えることはよくわかっている。

梨央ちゃんはこんなに立派な外資系高級ホテルで開催されるパーティーに参加している自分を私に自慢したいのだ。

彼女が今日参加しているのは大手企業の御曹司や令嬢など名家に生まれた二十代から三十代の男女が、交流を目的に開催される年に一度のパーティー。


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