リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


私と梨央ちゃんの実家である駒井家は旧華族で、不動産を多数所有している資産家なので今日のパーティーの参加条件を満たしている。

でも、私は参加していない。

というのも私は駒井家の本当の娘ではないから。

幼い頃に母を病気で亡くしてからしばらくは父子家庭で育ったが、その父も私が十歳の頃に不慮の事故で他界した。

それ以来、父の兄である伯父夫婦に引き取られたが歓迎されてそうなったわけではなく渋々迎え入れられたかたちだ。

だからなのか伯父夫婦とその娘の梨央ちゃんから私はあまりよく思われていない。

「梨央ちゃん来ないな」

到着の連絡を梨央ちゃんのスマートフォン宛てに送ったが未読のまま。おそらくパーティーに夢中で気づいていないのだろう。

やはりリップなんて本当は必要ないのだ。

十分ほどが経ったが梨央ちゃんは来ない。

華やかなロビーでぽつんと立ち尽くす私は周囲から浮いているに違いない。


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