リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
これから話す内容は話してもいいものなのだろうか。
美紅とは同僚で友人のように親しい仲だけれど、涼成くんのプライベートにかかわることを本人に無断で話すのはあまりよくない気がする。
「仕事終わりにどうしたの?」
でも、途中まで話を始めてしまったので続きが気になるのだろう美紅がせかすように尋ねてきた。
「ええっと……。仕事終わりに、えっと、あの……あ! 大型犬を預かることになったの」
「大型犬?」
「そう、大型犬。もうびっくりだよ」
あははと笑う私を見て美紅はきょとんとした表情を浮かべた。
大型犬とは涼成くんのことだ。
美紅の視線を受けながら私の脳裏に金曜日の夜から今朝までの出来事がよみがえる。
たった一日だけだったはずが涼成くんは翌日の土曜日も、その翌日の日曜日も泊まり、今朝までうちに滞在。
その間の涼成くんは仕事用のカバンからパソコンや書類を取り出してずっと仕事をしていた。
自分のことは気にせず普段通りに過ごしていいと言われたものの気になるに決まっている。おかげで土日は心が休まらなかった。