リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
十六年前の子供時代の涼成くんとは気心が知れた間柄だったからずっと一緒にいても居心地よく過ごせた。
けれど、成長して大人の雰囲気をたっぷりと纏った涼成くんと二日間もひとつ屋根の下で暮らすというのは男性経験のない私にはかなり酷な時間だ。
そのせいで見てわかるほど疲労がたまっているのだろう。
「それにしても大型犬を拾うって珍しいよね。柚葉の家ってワンルームマンションでしょ。ペットOKの物件だっけ?」
「ううん。ダメなんだけど、犬が自分の家に帰りたくないらしくて、しばらく匿ってほしいって頼まれて」
「頼まれて? 柚葉、犬と喋ったの?」
「えっ。あ、ううん、違う違う」
涼成くんを大型犬に例えて話していたら途中から言葉がこんがらがってしまった。
「えっと……、飼い主さんにいろいろと事情があるみたいで、しばらく家では飼えないらしいの。だから週末だけうちでお世話を頼まれて」
説明しながらずいぶんと雑な嘘だと思ったけれど、どうやら美紅は信じてくれたようだ。
「なるほどね。犬を預かっていたからそんなにお疲れなのか」
「うん、まぁね」
嘘をついていることへの罪悪感を覚えながら、グラスの中でストローをぐるぐるとまわす。