リベンジ溺愛婚～冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない～

「柚葉は今の生活に満足しているか」
「え？」

突然話題が変わり、ぱちりと瞬きをする。

「不満に思っていることや不便に感じていること。嫌な思いはしていないか」
「それは……」

伯父たちの顔が思い浮かんだ。

毎月の返済も、梨央ちゃんから頻繁に頼み事をされることも負担だ。それがなくなれば今よりも快適に過ごせるはず。

でも、涼成くんがどんな理由で先ほどの問いをしてきたのかはわからないが、私の抱えている事情を話したところで彼には関係のない問題だ。巻き込むわけにはいかない。

そんなことを考えていると再び涼成くんが口を開く。

「もしも俺と結婚するなら何不自由のない生活を保証するし、欲しいものを好きなだけ与えることができる」

涼成くんが部屋の中をちらっと見回してから再び視線を私に戻す。

「こんな狭い家だと暮らしづらいだろ。俺と暮らせばもっと広い家に住めるし、食べ物も着る物も値段を気にせず好きなだけ買えばいい」

確かににこのワンルームの部屋は狭いし家具も家電も必要最低限のものだけ。食事もスーパーのタイムセールで安く購入した食材で作る節約料理で贅沢はできない。