リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「痛いよ、涼成くん」
ごしごしと強く拭かれて頭がぐらぐらと揺れてしまう。せっかく拭いてくれるのならもう少し優しくしてほしい。
すると、涼成くんの手がふと止まり、背中にそっと回された腕に引き寄せられた。
「――えっ」
涼成くんの胸に頬がぴたりとくっつき、抱きしめられているのだと気が付く。
「りょ、涼成くん⁉」
彼の腕にしっかりと抱き寄せられているので身動きが取れない。
涼成くんからはふわっと甘く爽やかな香りがしてシャワーを浴びた後だとわかる。
一方の私は雨で髪も服も濡れているのに、そんなことは気にしていないように彼は私を自身の胸の中に閉じ込めた。
突然どうしたのだろう。
涼成くんが私を抱きしめる理由を必死に考えて、ピンとひらめく。
「もしかして、やっぱりまだ少し雷がこわい?」
外では今も雷がゴロゴロと鳴り響いている。
克服できたと言っていたけれど、実まだ少し苦手なのだろうか。
「そうだな。そういうことにしておいて、しばらくこのままでいさせてくれ」
涼成くんが私をさらに強く抱き寄せた。