リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「担当者が急いで経由地を変更した。しばらくはそのルートで原油を積んだ船が日本へ帰国できるよう調整したそうだ」

琢磨の報告に安堵する。迅速な対応でひとまず解決はできそうだ。

報告は以上だと思い執務デスクに戻ろうと腰を浮かすが、「待った」と琢磨に呼び止められる。

まだなにか報告があるのだろうか。再びソファに座り直した。

「涼成、お昼これからだよな」
「ああ。もうそんな時間か」

役員室の時計はとっくに昼の十二時を過ぎている。

「なにか食べに行くか?」

琢磨に誘われたが首を横に振った。

「いや。買ってきたものがあるからそれですませる」

出社前に立ち寄ったパン屋で昼食はすでに調達してある。

定期的に利用しているお気に入りの店だ。サンドイッチが特に美味しく、今日は厚焼き卵サンドと海老カツサンドを注文した。

パンは仕事をしながら片手で食べられるので効率もいい。

「新婚なのに愛妻弁当は作ってもらえないんだな」

意味ありげに笑う琢磨を一瞥する。

「彼女も仕事をしているんだ。余計な手間はかけさせたくないだろ」


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