リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
TAKIGAWAホールディングスの跡取りとして自分のやるべきことを淡々とこなす毎日。
苦しい、つらいもなければ、楽しい、幸せもなかった。
大人になり、TAKIGAWAホールディングスの役員として働くようになってからもそんな日々を続けていたある日――柚葉と十六年振りに再会した。
『あの! 落とし物ですよ』
参加したパーティー会場のホテルで声をかけられたときすぐには思い出せなかったが、じわじわと記憶が蘇ってきた。
目の前の彼女が柚葉だと気づいたときは頭に強い衝撃を受けたのを覚えている。
予想外の再会にうれしさが込み上げ、久しぶりに心が激しく動くのがわかった。
失っていたはずの感情が戻ってくるのを感じて、やはり俺には柚葉が必要なのだと思い知る。
この再会をきっかけに柚葉との繋がりを持ちたい。けれど、彼女は俺のことを思い出せないまま再び姿を消してしまった。
その日から柚葉のことが頭から離れなかった。
子供の頃から柚葉が好きだ。でもそれは家族同然の付き合いをしていたから、妹に向けるような感情だと思っていた。
けれど久しぶりに再会した柚葉がすっかり大人の女性に変わっているのを見て、もう妹だとは思えなかった。
柚葉への想いは恋愛感情だ。