リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


私が涼成くんのマンションに越してきてからは自分の食事を作るためキッチンを使って料理をさせてもらっているので、ついでだからと彼の分の食事も用意している。

初めの頃は自分の分は作らなくていいと涼成くんに言われていたが、それでも用意をしてみたところ毎回残さず食べてくれる。

お弁当も必要ないと言われたが、この前初めて彼の分も作って少し強引に渡してみた。すると完食して帰ってきてくれたので、それからは自分のと一緒に涼成くんのお弁当も作るようになった。

今はまだお昼前だが早々と夕食の支度にとりかかっているところだ。

「なにを作っているんだ?」

涼成くんが鍋を覗き込む。

「煮豚だよ」

作り始めたばかりなので豚肉にしっかりと味がついていない。

これからまだ少し調味料を加えて煮込み、粗熱を取ってから再び火にかけて温めないといけない。完成までにはまだまだ時間がかかる。

「随分と手の込んだものを作っているんだな」
「夕食楽しみにしていてね」

なぜ煮豚を作ろうと思ったのかというと、この前見た料理番組で作り方を紹介していたから。美味しそうだと思い、単純に自分が食べてみたくなっただけだ。


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