リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
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そして迎えた顔合わせ当日。
会場は以前梨央ちゃんが参加したパーティーが開かれたホテル。
涼成くんと再会した場所でもあるけれど、あのときは彼だとは気づかなかった。
その涼成くんは今日の顔合わせには急きょ来られなくなってしまった。
いったんは仕事の予定をずらしたはずが、昨日になってやはり仕事を優先させなければならない事案が発生したそうだ。
私としては涼成くんを伯父たちに会わせずにすむのでホッとしたのだが問題は梨央ちゃん。
「ありえない! ふたりで参加って言ったわよね」
ひとりで会場に到着した私を見て、彼女は不機嫌な態度を見せる。
必ず夫婦で参加という約束を破ったことに腹を立てているようだ。
「急きょ仕事になったとか嘘でしょ」
「違うよ。本当に今日は仕事で参加できなくて……」
梨央ちゃんにキッと睨みつけられて言葉尻が小さくなる。
「ごめん」
謝罪の言葉を口にすると、私たちのやり取りを見ていた伯父が口を開く。
「柚葉の夫なんて来なくてもいいじゃないか。梨央たちのように顔合わせすらしなければ、挨拶にもこないまま結婚するような非常識な男なんだから」