リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「それは違います」

伯父の言葉にはさすがに黙っていられなかった。

涼成くんはきちんと挨拶をしたいと言ったのに断ったのは伯父の方だ。そう伝えようとしたところで伯母が大きなため息を吐いた。

「だから私は反対したのよ。梨央の結婚の顔合わせに柚葉とその夫なんか呼ばなくてもいいって」
「でもお母さん。それだと――」

梨央ちゃんがなにかを言いかけて口を閉じた。続きの言葉は想像できる。

――それだと、私の婚約者を自慢できないじゃない。

たぶんそう言いたかったのだろう。

梨央ちゃんは御曹司である自分の婚約者を今日の顔合わせで私に自慢して優位に立ちたいと思っているはず。

私の夫も連れてくるように言ったのも、自分の婚約者の方が優れていると誇らしげに振る舞いたかったのだろう。

梨央ちゃんの機嫌を損ねてしまったけれど、今日の顔合わせに涼成くんが仕事で参加できなくて本当によかった。

やはり涼成くんを伯父と伯母、それから梨央ちゃんには会わせたくない。


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