リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
引き取られてから私にかかった生活費や学費などを伯父と伯母が細かく計算して、その費用を毎月少しずつ返済しているため給料はほとんど手元に残らない。
引き取ってもらった恩があるので生活を切り詰めてしっかりと返済しているが、私の給料から支払える毎月の返済額ではまだしばらく返済が続きそうで途方に暮れそうになる。
お母さんとお父さんが生きていたら……。
ふとそんなことを思いながらひとり暮らしのアパートに向かって歩く。すると前方からこちらに向かって足早に歩いてくる男性の姿が目に入った。
スーツ姿の背の高い男性だ。
どこかで見覚えがあるような……。
思い出そうとしていると、男性の視線が私に向かい目が合った。その瞬間ハッと気が付く。
あのときの落とし物の男性だ。