血管交換シヨ?
お弁当を食べ終わって、
急いで待ち合わせの中庭に向かった。
夏休み前に中原くんと共犯者になった場所。
中原くんはブレザーを着て、
花壇の前のベンチに座って待っていた。
「お待たせ」
「ごめんな。呼び出して」
「ううん」
「懐かしいな、ここ」
「そう?毎日見てるからあんま分かんないけど」
「すーちゃんってばいじわるさんになっちゃって」
「中原くんにだけだよ」
「あっはは。すっかり嫌われちゃったなぁ」
「…話ってなに?」
「つきみちゃんとはどう?うまくやってんの?」
スズと中原くんの間の共通点なんて
ツキくんと美桜ちゃんの他には見当たらない。
最初からそのどちらかの話なんだって思っていた。
中原くんとスズの間に交わされる恋バナは平行線のまま。
あの日からずっと。
これからもきっと。
そう思っていたのはたぶん、スズが未だに拗ねているからで、
拗ねているのはきっと、中原くんに勝手な仲間意識を抱いていたからなんだろう。
共犯者の話を持ちかけられた時。
この世界の全てを敵に回してもいいほどの恋をしている。
そう思える人が居たこと、
メチャクチャでも誰かを好きでいたいのはスズだけじゃないんだって思えたことを
裏切られたんだって気持ちに勝手になっていたから。
中原くんだけが正しい人間に戻ってしまうのが怖かった。
そう、気づいてしまう、
それってスズがしてしまった″悪いこと″を認めてしまうことだから、怖かった。
急いで待ち合わせの中庭に向かった。
夏休み前に中原くんと共犯者になった場所。
中原くんはブレザーを着て、
花壇の前のベンチに座って待っていた。
「お待たせ」
「ごめんな。呼び出して」
「ううん」
「懐かしいな、ここ」
「そう?毎日見てるからあんま分かんないけど」
「すーちゃんってばいじわるさんになっちゃって」
「中原くんにだけだよ」
「あっはは。すっかり嫌われちゃったなぁ」
「…話ってなに?」
「つきみちゃんとはどう?うまくやってんの?」
スズと中原くんの間の共通点なんて
ツキくんと美桜ちゃんの他には見当たらない。
最初からそのどちらかの話なんだって思っていた。
中原くんとスズの間に交わされる恋バナは平行線のまま。
あの日からずっと。
これからもきっと。
そう思っていたのはたぶん、スズが未だに拗ねているからで、
拗ねているのはきっと、中原くんに勝手な仲間意識を抱いていたからなんだろう。
共犯者の話を持ちかけられた時。
この世界の全てを敵に回してもいいほどの恋をしている。
そう思える人が居たこと、
メチャクチャでも誰かを好きでいたいのはスズだけじゃないんだって思えたことを
裏切られたんだって気持ちに勝手になっていたから。
中原くんだけが正しい人間に戻ってしまうのが怖かった。
そう、気づいてしまう、
それってスズがしてしまった″悪いこと″を認めてしまうことだから、怖かった。