冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
(葵を誰にも渡したくない。だが、傷つけたくもない。葵が俺に惚れてくれるのが一番だが――いや、それより今は、なんとか時間を作って会いにいかなければ。葵のことだから、おかしな男に引っかかったのかもしれない。深い関係になる前にやめさせなければ)

「面白いから放っとくか。まったく似た者同士だな」

斜め後ろからの井坂の声が聞こえていても、頭の中まで届かない。

庁舎はすぐ目の前で、足を踏み入れれば捜査以外で悩んでいる暇はないのだが、葵の顔が頭から離れてくれそうになかった。





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