冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「待ってください。高野さん、ですよね?」

「えっ」

なぜ名前を知られているのかと驚いて振り向くと、キャディが帽子の大きな鍔を上げて顔を見せてくれた。

「縞森さん!?」

菜美恵に会うのは半月ぶりほどだ。

記憶にある姿よりやつれて、疲れたような目をしている。

夫が逮捕され、生活が一変しただろうから無理もない。

けれども会えてよかったと言いたげに微笑んでくれた。

菜美恵のことを心配していたので、無事な姿を見られて葵も嬉しいが、なんと声をかけていいのかわからずうろたえた。

思わず片足を引いてしまうと、彼女が笑みを消した。

「私のこと、怖いですよね。夫が世間をお騒がせして大変申し訳なく思っています」

「あっ、違うんです。事件は驚きましたけど、縞森さんとは何度もお話していますし怖いとは思いません。どうされているんだろうと思っていたので、会えて嬉しいです。ここでキャディの仕事をされているんですね」

「ええ。働かないと生活していけない状況になったので」

「そうですか」

夫の逮捕で傷ついているだろうから事件について触れないようにしたいが、なかなか難しい。

言葉に詰まると、今度は菜美恵が問いかけてくる。

「高野さんは、ここでなにをされていたんですか?」

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