冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「えっ、あの、実は――」

これまで職業について話す機会がなく、フリーライターであることを初めて明かした。

その途端、彼女が怯えた顔をしたので、勘違いされたと思い慌てて釈明する。

「縞森さんを追いかけてはいませんので安心してください。私のターゲットはあの人たちです」

話しているうちに、安岐村たちはカートに乗って移動を始めていた。

追いかけたいところだが、菜美恵に事情を話して顔見知りのよしみで侵入を見逃してもらうしかない。

「元官僚の汚職スクープを狙っていたんですが、いい写真が撮れたのでもう帰ります。勝手に入ったことどうか内緒にしてください。すみませんでした」

頭を下げて頼み込み、それから遠ざかる安岐村たちを物惜しげに見てしまう。

「できればなにを話しているのか、会話も聞きたかったけど……」

すると菜美恵から思いがけない申し出をされる。

「会話の録音ならできると思います。協力しますよ」

多くのゴルファーがそうするように、安岐村たちもクラブハウスのレストランで昼食を取るだろう。

接待ゴルフならおそらく個室を予約していると思うので、録音機材をテーブルの下にしかけ、回収もしてくれるという。

願ったり叶ったりな提案だが、迷惑をかけるかもしれないので遠慮する。

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