冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
(大和さんが私に仕事を辞めてほしいと思っているのは、危険な目に遭わせたくないからだよね。私、ずっと前からすごく愛されていたんだ。もう心配をかけたくない。大和さんの愛情に応えないと)

最近の悩みに結論を出せそうな気がしたその時、パンッと大きな銃声が響いた。

葵の足元の冬枯れした芝が散る。

菜美恵に鋭く睨まれて、強い恐怖に固まった。

「あなたに私たち夫婦のなにがわかるというのよ。勝手なことばかり言って私を怒らせて、今の状況わかってないの? この拳銃はおもちゃじゃないのよ」

それは彼女の夫が半年ほど前に作った試作品で、それだけ別の場所に保管していたので警察に押収されなかったそうだ。

試作品なので強度が落ちるが、三発は撃てると夫が保障したらしい。

「ま、待ってください。直斗くんはどうするんですか。私を殺せばあなたは逮捕されます。一緒に暮らせなくなったら、直斗くんが可哀想です」

なんとか思い留まらせなければと子供の名を出した。

けれどもかえって菜美恵の逆鱗に触れてしまう。

「もうすでに一緒に暮らせなくなったわよ」

「えっ?」

世間ではテログループが一斉に逮捕されたことで一件落着とされ、ここ数日、ニュースで扱われていない。

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