冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
たちまち大勢の警察官に囲まれて、菜美恵が連行されていく。

赤色灯をつけたパトカーも、列をなして近くに止められていた。

死を覚悟してからわずか十数秒後のできごとで、葵は尻もちをついたまま呆然としている。

息を弾ませた大和が、葵の前に片膝をついた。

「怪我は?」

「ない」

深いため息をついた大和にきつく抱きしめられた。

「生きた心地がしなかったぞ。勘弁してくれ」

「ごめんね」

「無事でよかった」

心底ホッとしているような吐息がうなじにかかる。

冷え切った頬が彼の頬の熱で温められ、いつもベッドで感じている彼のいい香りに包まれた。

助かったのだとやっと実感して気を緩めると、涙も感情も一気に溢れた。

「死にたくなかったの」

「当然だ」

「もう一度だけでも、大和さんに会いたかった」

「一度で終わりにするな」

「すぐ言わないと」

「なにをだ?」

少しだけ体を離し、涙がにじむ視界に彼を映した。

「愛してる。ずっと前から、すごく、すごく」

彼の目が見開かれ、それから嬉しそうに細められた。

頷いてもくれて、気持ちが伝わったとわかったけれど、まだ足りない気がする。

「もっと言っておかないと。言えなくなったら死ぬほど後悔するもの。私、大和さんを愛し――」

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