冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「事後処理はこっちに任せて、加賀見は葵ちゃんについてなよ。報告はお前のところにも上げるから」

「そうさせてもらおうか」

事件後の捜査が粛々と行われている中で、大和に抱き上げられた。

「わっ」

「首に腕を回して掴まってろ」

じろじろ見られているわけでなくても、大勢の警察官が立ち動いているので恥ずかしい。

「怪我してないから歩けるよ」

熱い顔で周囲を気にしたが、大和は下ろしてくれず、まっすぐに警察車両へ歩を進めた。

「俺が離したくないんだ」

どれだけ心配し、不安だったのかを物語るようなその言葉に、「うん」と小声で呟く。

言われた通りに首に両腕を回してしがみつくと、力なく謝った。

「ごめんなさい。もう心配かけないと約束する」

「ああ。頼む」

愛する人を不安にさせてまで貫く正義は、真の正義とは言えない気がした。

優しい揺れに身を任せながら、仕事について考え直す時がきたのだと感じていた。



翌日は元旦だが、大和とふたりでのんびりおせち料理を食べてはいられない。

菜美恵の事件のせいで大和は早朝から登庁し、葵も昼前から警視庁に呼び出されて事件の経緯を聴取された。

夕方までかかったが、一日ですんだので短い方だろう。

先に大和が経緯を説明してくれたのだと察した。
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