冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
十七時半に帰宅して、すぐにテレビをつけた。
正月の特番ばかりだが、合間に挟み込まれたニュースで、自分が被害者となった事件を報道していた。
それを見ながら菜美恵について考える。
お人好しではないので可哀想とは思えないが、改心してほしいと切に願った。
(心まで旦那さんに支配されてる感じだった。どうかそこから抜け出して。罪を償ったそのあとは、大きくなった直斗くんと一緒に幸せになってほしい)
感傷的な気分になりかけてテレビを消し、キッチンに立つ。
白いセーターの上にエプロンを着て冷蔵庫を開けた。
大和はまだ帰宅していないが、連絡がないので泊まりではないだろう。
今からおせち料理を作る時間はないけれど、ふたりで雑煮を食べて少しは正月気分を味わいたい。
昆布と鰹節でだしを取り、すまし汁を作る。
具材は鶏肉としいたけ、紅白のかまぼこ、三つ葉と車エビだ。
(うん、美味しい)
雑煮の作り方は祖母から教わった。
祖母が他界してからも毎年、正月には忘れないように必ず作り、ひとりで食べていた。
(今年は大和さんと一緒に食べられる。ううん、今年だけじゃなく、ずっとだ)
自然と笑みがこぼれ、大和の帰宅を待ち遠しく思う。
すると思いが通じたかのように、玄関ドアが開く音がした。