冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
「ただいま」

「おかえり」

リビングの入り口に大和の姿が見えると、たちまち心が弾む。

オーブントースターにふたり分の餅を入れてスタートボタンを押し、ソファの横で黒いコートを脱いでいる彼に笑顔を向けた。

「お正月から大変だったね。おつかれさま」

「葵も疲れただろ。なるべく短くと言っておいたんだが、長くなってすまなかった」

「大丈夫だよ。担当してくれた人は親切だったし、聞かれたことに答えていただけだから。大和さんはきっと忙しかったよね。私のせいで、ごめんね」

「いや、葵のおかげで縞森菜美恵を逮捕できたんだ。感謝している。だが、二度とやるな。警察が取り調べている相手だとわかっていながら、協力を頼むとは何事だ」

大和の眉間には、深い皺が刻まれている。

説教されても仕方ないと思うので、言い訳せずに頷いた。

「反省してます。それと、まだ言ってないことがあって……」

「今度はなにをやらかした?」

「違うよ。私の仕事の相談。もう、やめようと思うんだ」

権力者の汚職を暴いてスクープする。それを自分の正義として走ってきたが、大和を不安にさせてまで続けるのは違うと感じた。

最近の心境の変化を話すと、大和が驚いたような顔をした。

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