冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
生活費は大和がすべて出してくれている。
働かずとも生きていけるが、プラプラと遊んで過ごせる性分ではないのでアルバイトは続けるつもりだ。
けれども、それだけでは心が満たされない。
「生活の中に正義がないと、抜け殻になりそう……」
懸念をボソッと呟くと、大和の男らしい指が葵の顎先にかかった。
逸らした顔を戻され、至近距離で見つめられて鼓動が跳ねる。
まるでキスされそうなシチュエーションだが、彼は思考を巡らせているような顔をしていた。
「葵の正義とは、具体的にどういう行為を指すんだ?」
「え? それは、その、世のため人のためになることがしたいというか……。自分ができる些細なことでいいんだけど」
大きな正義のもとで職務にあたっている大和に説明するのは気が引ける。
その程度かと思われそうな気がしたのだが、彼の顔は真剣そのものだ。
「ライターを辞めるのではなく、違うジャンルに挑戦したらどうだ? 読んだ人の心に響くような記事を書く。お前の文章で勇気づけられたり、幸せな気分になれたりするなら、十分に人の役に立っていると思うが」
大和の意見ですぐに頭に浮かんだのは、蕎麦屋で見た安岐村夫妻だ。
有名店ではない普通の蕎麦屋は、あの夫婦にとって特別な場所だった。
働かずとも生きていけるが、プラプラと遊んで過ごせる性分ではないのでアルバイトは続けるつもりだ。
けれども、それだけでは心が満たされない。
「生活の中に正義がないと、抜け殻になりそう……」
懸念をボソッと呟くと、大和の男らしい指が葵の顎先にかかった。
逸らした顔を戻され、至近距離で見つめられて鼓動が跳ねる。
まるでキスされそうなシチュエーションだが、彼は思考を巡らせているような顔をしていた。
「葵の正義とは、具体的にどういう行為を指すんだ?」
「え? それは、その、世のため人のためになることがしたいというか……。自分ができる些細なことでいいんだけど」
大きな正義のもとで職務にあたっている大和に説明するのは気が引ける。
その程度かと思われそうな気がしたのだが、彼の顔は真剣そのものだ。
「ライターを辞めるのではなく、違うジャンルに挑戦したらどうだ? 読んだ人の心に響くような記事を書く。お前の文章で勇気づけられたり、幸せな気分になれたりするなら、十分に人の役に立っていると思うが」
大和の意見ですぐに頭に浮かんだのは、蕎麦屋で見た安岐村夫妻だ。
有名店ではない普通の蕎麦屋は、あの夫婦にとって特別な場所だった。