冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
火を噴きそうなほど熱い顔を見られたら、なにを期待しているのかに気づかれてしまいそうだからだ。

それなのに、大和の方から体を離されそうになって慌てる。

「ダメ。もう少し、このままでいて」

「なぜだ?」

「どうしても。お願い」

(顔の火照りを冷まさないと)

一生懸命に色気のないことを考えようとしているのに、耳元でフッと笑われる。

続く声はいつになく色っぽい。

「悪いが、その願いは聞けないな」

「どうして?」

「言っただろ? 事件解決後に葵のすべてをもらうと。このままでは唇も奪えない」

(えっ!?)

強引に腕を解かれ、頬を両手で挟まれた。

至近距離から見つめてくる大和は、男の顔をしていた。

薄く開いた唇が色気を醸し、葵を映す黒目は蠱惑的に潤んでいる。

心の準備不足で動悸が加速するが、彼の艶っぽい雰囲気に飲まれてぎゅっと目を閉じた。

「んっ」

唇が触れ合い、柔らかさや質感を確かめるようにすり合わされる。

それだけでもう心臓が壊れそうなのに、葵の唇を割って深くまで味わわれた。

とろけるような快感に包まれて、初めてのキスに夢中になる。

(もっと、もっと……)

その時、オーブントースターが鳴った。

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