冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
餅が焼けた音で唇が離されると、急にぶり返した恥ずかしさで大和の顔が見れない。

(なにを話せばいいの?)

うつむき加減で目を泳がせる葵に対し、彼はいつも通りだ。

「いい香りだ。雑煮を作ってくれたのか?」

「う、うん。お餅も焼けたところ」

「腹が減っていたんだ。嬉しいな。一緒に食べよう」

(喉を通る気がしないよ。ドキドキしているのは私だけみたい)

食器棚からお椀を出し、トースターの蓋を開けている彼に悔しくなる。

「余裕があっていいね」

つい嫌味を言ってしまうと、手を止めた大和が苦笑した。

「そう見えるならよかった」

「心の中は違うの?」

お椀に入れられた具材と餅に、すまし汁がかけられる。

手早く雑煮を完成させた彼がひと言、淡白な口調で言う。

「聞くな」

その横顔は心なしか赤い。

余裕ではないとわかって嬉しくなり、その背に抱きつくと、「こぼれるだろ」と大和が慌てた。



夜が更けて、日付が変わる頃――。

寝室のベッドの下には、レースのついたピンク色の下着が落ちている。

一糸まとわぬ姿にされた葵は大和に組み敷かれ、どこまでも高まる動悸に耐えていた。

「あっ……」

男らしい指が胸の頂や潤う部分を刺激する。

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