冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
彼の好みは知っているので、最初からティースプーン半分の砂糖を入れて出した。
自分の分は砂糖とミルクが多めだ。
「飲んで」
「ありがとう」
狭い部屋にふたりきり。なにかが起きるとは思っていないが、先ほど窓辺で抱きしめるような格好で支えられたためか、少しだけ意識してしまう。
その気持ちを紛らわせたくて、葵はキッチンの方を向いた。
収納しきれなかった食器がまだダンボール箱の半分を埋めていて、それを見ながらひとりごちる。
「入らない食器、どうしよう」
大和が今使っているマグカップも収納場所からはみ出したものだ。
熊のご当地キャラクターがプリントされたそのカップは、葵が高校の修学旅行で大和のお土産に買ったものだ。
葵の自宅を訪ねた時にそれでコーヒーを飲むからと言われ、その通りに使ってきた。
祖母が亡くなり葵のひとり暮らしになってからは外で会い、滅多に家に来なくなったのでとっておく必要はないのかもしれない。
そう思っても、思い出があるから捨てられない。
祖母のお気に入りの深鉢や父の茶碗と同じだ。
すると、マグカップを片手に持った大和が言う。
「俺の家で保管する」
「いいの?」
「ああ。思い出を無理に捨てなくていい」
自分の分は砂糖とミルクが多めだ。
「飲んで」
「ありがとう」
狭い部屋にふたりきり。なにかが起きるとは思っていないが、先ほど窓辺で抱きしめるような格好で支えられたためか、少しだけ意識してしまう。
その気持ちを紛らわせたくて、葵はキッチンの方を向いた。
収納しきれなかった食器がまだダンボール箱の半分を埋めていて、それを見ながらひとりごちる。
「入らない食器、どうしよう」
大和が今使っているマグカップも収納場所からはみ出したものだ。
熊のご当地キャラクターがプリントされたそのカップは、葵が高校の修学旅行で大和のお土産に買ったものだ。
葵の自宅を訪ねた時にそれでコーヒーを飲むからと言われ、その通りに使ってきた。
祖母が亡くなり葵のひとり暮らしになってからは外で会い、滅多に家に来なくなったのでとっておく必要はないのかもしれない。
そう思っても、思い出があるから捨てられない。
祖母のお気に入りの深鉢や父の茶碗と同じだ。
すると、マグカップを片手に持った大和が言う。
「俺の家で保管する」
「いいの?」
「ああ。思い出を無理に捨てなくていい」