冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
(思ったより早い。ということは記事が出る前から警察も水面下で動いていたんだ。先に週刊誌に載ってしまって、逮捕を早めたのかも)

速報に気を取られていると、うっかりメッセージを送信してしまった。

焦って取り消そうとしたが、その前に既読の文字が出る。

大和が読んでしまったということだ。

(どうしよう。変に思われるかも。でも、内容はどうでもいいことだから、慌てなくていいか)

すぐに私用の携帯を確認できる状況だということは、大和は今、自宅にいるのかもしれない。

いくら忙しくても、少しは休まないと倒れてしまう。

きっと電話がかかってくると思い、鼓動を高まらせて待つ。

しかし三十分経っても携帯は鳴らなかった。メッセージの返信もない。

(くだらない質問をしてくるなと思ってる?)

呆れられた程度ならまだいいが、別の意味も考えて顔色を悪くした。

(もう構うのはやめるという意思表示だったりして。警察庁の上官の娘さんに悪いから……)

告白もしていないのに、フラれた気がして胸が苦しい。

(仕事も恋もなにもかもうまくいかない。私って、ダメだな)

急に食欲がなくなって、残った弁当は蓋をして冷蔵庫にしまった。

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