冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
まったく気分が乗らないが、パソコンを開き、多野元について調べたことを記事にする。

後追いになってしまったが、少しでも収入は欲しい。

これまで何度かお世話になっている出版社の編集部に問い合わせると、買ってくれると言うので仕上げた記事を送信して今日の仕事を終えた。

そのあとはシャワーを浴びる気力もなく、着替えだけしてソファベッドに横になった。

微かな期待を抱いてそっと携帯をチェックしたが、やはり大和からの返事はない。

(今日はショックなことが重なって疲れた。もうなにも考えたくない。早く寝よう)

暗い部屋の中で眠りが訪れるのを静かに待つ。

けれどもまぶたの裏に大和の顔が浮かんで泣きたくなる。

すると呼応するかのように、階下から配管を伝って子供の泣き声が聞こえた。

(直斗くんは今日も夜泣き。ほぼ毎日だよね。私だけじゃなく、みんな大変なんだよ)

抱っこで寝かしつけようと頑張っている菜美恵を想像し、誰もが苦しい時があって当然だと自分を慰める。

階下の音に耳を澄ませていると、金槌でなにかを叩いているような鈍い音が交ざっていることに気づいた。

もっと耳に意識を集中させると、ジージーと低く響く機械音もする。

思わず目を開け、床を見た。

(なんの音?)

< 95 / 218 >

この作品をシェア

pagetop