春待つ彼のシュガーアプローチ
おそるおそる周りに視線を向けると、廊下の窓から私たちのことを見ている女子生徒たちがあちこちにいて。


私の顔はたちまち熱くなってしまった。


おそらく彼女たちは氷乃瀬くんのことしか見ていないし、なんなら私なんて見えていないかもしれないけれど。


それでも恥ずかしい...。


「氷乃瀬くん、ササッとお昼ご飯を食べて早く教室に戻ろうよ。色んな人に見られてる」


「無視すればいいよ、あんな奴ら」


氷乃瀬くんは校舎を一瞥してから何食わぬ顔でサンドイッチを口に運んだ。


なんだか意外。
こういう状況って苦手そうなのに。


もしかしたら女の子たちの視線を浴びる機会が多すぎて耐性がついてしまっているのかも。


それはそうと、氷乃瀬くんと正式に付き合う選択をしたら、こういう日常が待ってるってことだよね。


告白の答えをきちんとするためにも、恥ずかしいから退散するんじゃなくて、眼前に広がる現実と向き合わなくては!


何か乗り切る対処法ないかな。


……そうだ!


集中している時は周りのことが気にならなくなるから、今はお昼ご飯を完食することに全神経を集中させよう。


そう思って食べたお弁当だけど、あまり味がしなかった。

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