春待つ彼のシュガーアプローチ
この日を境に、私たちが付き合っているという半分虚偽の情報が女子生徒たちを中心に拡散。


一週間も経たないうちに学校中に広まってしまった。


「栞ちゃん、顔色あまり良くないけど大丈夫?」


本日最後の授業だった体育が終わり、更衣室で着替えていた時。


部屋に私たちしかいなくなったタイミングで、萌絵ちゃんが心配そうな表情で声を掛けてくれた。


「うん、平気。慣れない場面の連続で少し疲れてるだけだから」


「少しどころか、かなり疲れてるんじゃない?」


鋭い指摘…。
もはや苦笑いで反応を返すしかなかった。


遅かれ早かれ校内の生徒たちに知れ渡る日が来るだろうと思っていたし、女の子たちの反響も覚悟はしていた。


負の感情が込められた冷たい視線や陰口も想定内。


ただ、意外なこともあって…


『氷乃瀬くんの笑顔を引き出せるなんて陽咲さんは神っていうか女神!!スゴすぎて尊敬』


『推しの笑顔を見せてくれてありがとう~』


といった感じで、私に敬意や感謝の言葉を伝えに来る女の子たちもそれなりにいて、拍子抜けすることもしばしば。


向けられる様々な感情の温度差がありすぎて、調子を狂わされてしまうのだ。

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