春待つ彼のシュガーアプローチ
「そう言えば、何か話があるんだよね?」
『うん。突然なんだけど陽咲って5月の大型連休は予定とか入ってる?』
「特に何も…。家にずっと居ると思う」
どこに行くにも混雑しているから、毎年その連休は家で過ごすことが殆ど。
出掛けるにしても近所のスーパーに食材の買い出しに行くぐらいだ。
『だったら5月3日に俺とデートしない?』
「デート!?」
思わぬ言葉に驚いた私は、椅子から勢いよく立ち上がってしまった。
『その日、バイトの休みがとれたんだ。だから、お互いを知る一環ということで二人で出掛けたいなと思って』
氷乃瀬くんのことをもっと知ってから結論を出したいと言ったわけだし…
デートも積極的に体験しなくては。
「ぜひ、よろしくお願いします」
『じゃあ決まり!陽咲はどこか行きたい場所とかある?』
「私はどこでも…。それより氷乃瀬くんの行きたい場所を優先して?」
しばしの沈黙を挟んだ後。
『それなら陽咲が普段よく行く場所に行ってみたいな』
語尾に音符がつきそうなぐらい声を弾ませる氷乃瀬くん。
まさかのリクエストに、私は思考も動作も固まってしまった。