春待つ彼のシュガーアプローチ

『あ、あのさ…気乗りしないとか絶対に嫌とかだったら無理しなくていいから』


「違うの!そうじゃなくて、私がよく行く場所となると、氷乃瀬くんが楽しめる要素が何も無いのでは…と思って。退屈するんじゃないかと…」


『そんなことないよ。陽咲と一緒なら、どんな場所だって楽しい時間を過ごせるから』


デートが終わった後、果たして同じ感想を持ってくれるだろうか。


あまりのつまらなさに落胆しそうな気もする。


でも、だからと言って楽しんでもらうために滅多に行かないような場所をチョイスして自分を盛るのは違うし…。


「分かった。行くところ考えておくね」


『楽しみに待ってる。じゃあ、おやすみ』


「おやすみなさい」


スマホ片手にお辞儀をしながら通話を終えた私。


机の端に置いてある卓上カレンダーを手に取ると、5月3日のところをジーッと見つめた。


デートまで半月もないのか。


どこに行くかを早急に決めて1日の計画を立てなければ。


それから服装も。


今回は私がよく行く場所の紹介みたいなものだし、着飾ったりせずに普段着の方がいいのかな…。


いやいや、一応“デート”なんだから、あまりにもラフ過ぎるのは失礼だよね。


「………」


とりあえず今日はここまでにして、学校の課題を終わらせたらお風呂に入ろう。


今日中に決めないといけないほど時間に余裕がやいわけじゃないし、焦らずに考えよう。

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