春待つ彼のシュガーアプローチ
淡いミントグリーンのワンピースにアイボリーの薄手のカーディガンを羽織って、ブラウンのローファーという装い。


ワンピースなんて超がつくほど久しぶりに着た気がする。


春らしさを感じる爽やかな色合いで、派手さも無く、落ちついた印象を受ける服だったから、これがいいなと思って購入したけれど…


時おり、行き交う人たちからの視線を感じる。


驚いているというか、衝撃的なものでも見てしまったかのような表情。


おそらく、容姿と服が釣り合ってないから引いているんだろう。


今までオシャレに無頓着だった私が、いきなり着飾っても失敗するだけだよね…。


「陽咲…?」


聞き慣れた声に顔を上げると、私の前で目を見開いて立っている氷乃瀬くんの姿が視界に映った。


薄いグレーのTシャツに襟つきの黒いシャツを羽織って、カーキのズボンにスニーカーといった装い。


見慣れていないからか、氷乃瀬くんの私服姿はとても新鮮で、“カッコいい”という言葉が自然と頭に浮かんだ。


「お、おはよう…氷乃瀬くん。来るの早いね」


「それを言うなら陽咲も同じじゃん。もしかしてだいぶ待った?」


「ううん、私もついさっき到着したところ。家に居ても何だか落ち着かなくて」


「俺も。楽しみすぎて殆ど眠れなかった」


照れくさそうに笑みを浮かべた後、氷乃瀬くんは私をジーッと見つめたまま微動だにしない。


もしかして、どうリアクションとればいいのか考えあぐねてしまうぐらい、この服装に違和感を抱いているのでは?

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