春待つ彼のシュガーアプローチ
「せめて、お店に来る直前に私がSNSを見ておけば良かったよね。せっかくここまで足を運んで貰ったのに...」
「歩くの全然苦じゃないし気にしなくていいよ。それに今日がダメでも次の機会に一緒に来ればいいじゃん」
「次?」
「こうして二人で出掛けるのだって、これが最後だなんて俺は思ってないし」
氷乃瀬くんは、ガックリと肩を落としている私に温く微笑んだ。
「これからの楽しみが一つ増えた」
落胆するんじゃなくて、前向きな要素に変換してくれるんだ…。
氷乃瀬くんは優しいな。
ううん、多分それだけじゃない。
きっと、今のは私のことを想ってくれているから出た言葉なんだよね…。
「…………」
頭の中に告白された時の映像が流れだして、たちまち顔が熱くなる。
私ってば、この非常事態にドキドキしている場合じゃないでしょ。
早く代替スケジュールを考えないと。
首を左右に振った後、頬を両手で軽く叩いた。