春待つ彼のシュガーアプローチ

「せめて、お店に来る直前に私がSNSを見ておけば良かったよね。せっかくここまで足を運んで貰ったのに...」


「歩くの全然苦じゃないし気にしなくていいよ。それに今日がダメでも次の機会に一緒に来ればいいじゃん」


「次?」


「こうして二人で出掛けるのだって、これが最後だなんて俺は思ってないし」


氷乃瀬くんは、ガックリと肩を落としている私に温く微笑んだ。


「これからの楽しみが一つ増えた」


落胆するんじゃなくて、前向きな要素に変換してくれるんだ…。


氷乃瀬くんは優しいな。


ううん、多分それだけじゃない。


きっと、今のは私のことを想ってくれているから出た言葉なんだよね…。


「…………」


頭の中に告白された時の映像が流れだして、たちまち顔が熱くなる。


私ってば、この非常事態にドキドキしている場合じゃないでしょ。


早く代替スケジュールを考えないと。


首を左右に振った後、頬を両手で軽く叩いた。

< 149 / 163 >

この作品をシェア

pagetop