春待つ彼のシュガーアプローチ
午後の授業が終わり、放課後。


図書委員の私は、別館2階にある図書館へ。


今日は放課後のカウンター当番日だ。


2階のフロア全体が図書館になっているので、蔵書数はかなり豊富。


ソファーに座ってゆったりと読書が出来るようなコーナーや、自習専用に席が設けられているエリアもある。


落ち着いた空間で読書や勉強が出来ることもあって利用する生徒は多い。


そのためか、この高校の当番は図書委員3人体制だ。


「陽咲さん、返却本がたまってきたから書架への戻し作業をお願いしていい?貸出・返却ラッシュも過ぎたからカウンターは二人で大丈夫だと思うし」


「はい」


テキパキ作業をこなす2年生の図書委員二人にカウンターをお任せして、私は返却本でほぼギッシリ埋まったブックトラックを押して移動を始めた。


図書委員に入った頃と比べればこの作業にも慣れてはきたけれど、先輩たちのスピードには及ばない。


スムーズに本を戻せるように頑張らなくちゃ。


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