春待つ彼のシュガーアプローチ
そう言えば、氷乃瀬くんも転入先の高校で新学期を迎えているのかな。


同じ空の下、きっとどこかで元気にしているよね。



「陽咲?」



今、氷乃瀬くんに呼ばれたような気が…。
いやいやそんなはずないよね。


幻聴に決まってる。


「やっぱり陽咲だ」


さっきよりもハッキリと聞こえてきた声。


振り向くと、ゆるいウェーブのかかったミルクティー色の髪をした男の子が立っていて。


私は驚きのあまり目を見開いた。


「氷乃瀬くん、どうしてここに!?転校したはずじゃ…」


「陽咲こそどうしてこの駅に?」


しばし流れる沈黙。


顔を見合わせた私たちの口からは『えっ?』という戸惑いの声が同時に零れた。


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