天才ピアニストは愛しい彼女を奏でたい

「私も私で結構あっさりしてた」

「そうなのか？」

「うん。好きじゃないだろって良く言われてたし。あとは、付き合い切れないとか」

「なんだよそれ」

「律が初めてだよ。こんなに…甘えたり…」

律は驚いた顔をする。

「律にしかこんな事したことないよ」

「可愛すぎ」

「律。好き」

「もっと言って」

ふふふ。

「好き。大好き」

見つめ合ってお互いどちらからともなくキスをする。

ターコイズブルーに広がる大海原に私たちだけの世界で。

そして海から上がってシャワーを一緒に浴びる。

ここからも海に溶け込むように窓際に設置されたバスタブに浸かる。
至福のひとときだ。

ここの他にもいくつもヴィラがあるのに外にはほとんど人が見られない。
本当にこの広く美しい海を貸し切ってるみたい。