バッカスの女神様はオトコを知らない
女神は・・・無表情で遠くを見やっている。

持ってみるとしっとりとして、水にぬれているような質感がある。

皇帝が特別な窯でつくらせたもので、門外不出の逸品とその骨董商は自慢をしていた。

「この壺を持っていると、あなたに幸福をもたらしますよ」

骨董商は嘘八百を並べ立てるのだが・・・なぜか心惹かれた。

そうか、女神だ。

ダニエルは両手を掲げるように上げて、覗き込んでいるデラシアの頭を引き寄せた。

近くで見ると、その肌はあの壺の質感とよく似ている。

なめらかで、きめが細かく美しい。

俺に幸運をもたらす東洋の女神・・・

デラシアの唇がふさがれた。

そして強引に舌が入ってくるが、抵抗できない。

舌をからめられて、強く吸われると、力が抜けてしまう。

ぷはっ!

息が苦しくて、もがくとダニエルの腕が緩んだ。

デラシアは何とかその腕をすり抜け、じゅうたんに尻もちをつく格好で着地した。

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