バッカスの女神様はオトコを知らない
<未知のテイスト>

次の日、
ダニエル・レガートは自分のオフィスで落ち着かない様子で、書類をめくっていた。

文字が滑って、目に入らない。

まさか、キスの相手がシスターとは・・・酔っ払った俺もどうかしている。

ため息をつくと、引き出しから、あの小さな壺を取り出した。

壺の女神は、あいつと同じように目が細く無表情だ。

「社長、シスター・ローズベリーが、今、来ているのですが」

マークスが、ドアの隙間から顔を覗かした。

ダニエルはくっと息を飲み、次に視線がさまよった。

昨日の今日だ。

不意打ちで、何か文句をつけに・・・出張って来たのか?

「しばらく、待たせておけ」

別にびくびくすることはないのだが、この気持ちのざわめきを押さえなければならない。

そう、いつもの俺を思い出せ。

ダニエルは壺をしまい、葉巻を1本取り出した。

火をつけて、何度か煙を吐き出すと落ち着いてきたのがわかる。

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