バッカスの女神様はオトコを知らない
「マークス、用件を聞く。シスター・ローズベリーを通せ」

コン、コン・・・ノックの音

「失礼します」

軽い足音を立て、入って来たデラシアはいつもの無表情だ。

ダニエルは余裕を見せるために、口角を上げ商売用の笑顔をみせた。

「昨日の件か。文句があるならはっきり言え!」

交渉は先行で、一発目に強いアクションをかます。

そしてこちらに有利な流れを作る。

ダニエルの戦法だ。

デラシアは、人形のように微動だにしない。

しばらくお互いの視線が交錯したが、デラシアの口が開いた。

「お酒はたしなむもので、過度な飲酒は体にもよくありません。
お酒は神様の食べ物。アンブロシアに、敬意を払う態度を取ってください」

俺に説教をする気で来たのか!!

ダニエルは身を固くした。

数々の修羅場はくぐってきたが、こんな緊張は初めてだ。

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