バッカスの女神様はオトコを知らない
「お酒に飲まれ、衝動的に行動するようでは、共同経営者として問題があると思います」

ダニエルは前のめりになり、唇をかんだ。

「昨日のは、事故です。単なる粘膜接触が起きただけと思っています」

デラシアは淡々と続けた。

はっ・・・事故?

粘膜接触だと?

このシスターは本当にオカシイ。

動揺したダニエルだが、このバッカスの女神の前で、なぜか恐ろしいほど自分の無力さを感じていた。

「それで、それで・・シスター、アンタはいったい、何をしに・・・来たんだ?・・・」

ダニエルの語尾が弱くなり、消えかかった。

デラシアは前のめりになって机に手を置き、ダニエルをみつめた。

その透明に近い青灰色の奥に、何かがうごめいている。

昨日、レガートさんが、何のお酒を飲んだのか知りたいのです」

「はぁ・・?なんでお前が・・・」

ダニエルは慌てて、口を手でふさいだ。
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