またあなたに花束を
もう心が限界だと警告をだしているのだと思った。もう無理だよ、休もうよ穂希ちゃん。と「それ」が言ってくれているような気がした。でも、私が認めたらお父さんやお母さんはどうなるの?と「それ」に何度も聞いた。返事が返ってくるはずもない話し相手に何度も聞いた。もちろん「それ」は返答してくれなくて、また私は答えのない暗闇の中に彷徨った。そして優しい時の父の顔を思い浮かべると仮面を被るしかないと再確認させられてしまった。その瞬間、力が抜けたようにその場に座り込む。
そして帰る時間を知らせるチャイムが学校中に鳴り響いた。動かないといけないとわかっていても動けなかった。
「帰りたく、ないなぁ、、」
口に出してしまったらもう終わりだった。次々と涙が溢れて止まらない。
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