神殺しのクロノスタシス1
その日俺達は、失踪したJさん達の同級生五人に、それぞれ話を聞いてきた。

比較的チャラいギャルに言わせれば、「ちょっとワルなやんちゃ坊主」だが。

真面目な女性や男性に言わせれば、「中学生にありがちな問題児」。

中学生には珍しくない、若気の至りなのかもしれないが、それでも問題児には変わりない。

しかも。

五人中三人が、教えてくれた。

この四人は、中学時代、クラスメイトの一人をいじめて遊んでいたらしい。

当該生徒の身体的特徴を、しつこくからかったり。

その子を変なあだ名で呼んだり。

皆の前で辱しめるようなことを言ったり。

持ち物への落書きや、軽く小突いたりもしていたとか。

さすがに、万引きしてこいとか、お金カツアゲとかはしてなかったようだが。

それでも、いじめであることに変わりはない。

実に最低な奴らだ。

そして、気になることはもう一つ。

同級生達が口を揃えて言うには、彼らは、五人組だった。

失踪した四人に加え、もう一人…Mさんという人がいたそうだ。

その人は、失踪者リストに名前が載ってない。

つまり、まだ失踪していないのだ。

「限りなく怪しいな。このMさんって人」

「まぁ無関係ではないでしょうねー。犯人なのか、それともこれから五人目の失踪者になるのか…」

本当なら、今すぐにでもこのMさんという人の連絡先を調べて、会いに行きたいところだが…。

「今日はもう遅い。明日にしよう」

「そうそう。今日は寝ましょう。お休み」

「あ、おい」

「…zzz…」

…はっえぇ…。

どうやったらそんな数秒で寝られんの?

「はー…」

それにしても…。いじめ…か。

なんか…雲行き怪しくなってきたなぁ…。
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