甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
声に出来ない言葉
振り返ると、田代くんが立っていることに私は驚いた。

「田代くん! びっくりした……!」

「俺も驚いた。末永って、ここから家近いの?」

「いや、家は近くないんだけど、たまたまこの近くに用事があって。田代くんは?」

「俺は普通に家が近くて、氷切らしてたから買おうかなと思って」

私のいる飲み物の棚の横には、冷凍食品や氷が入っている冷凍庫が置かれている。

丁度、私が冷凍庫への通路の道を塞ぐような形になっていた。

「ごめん、邪魔だったね」

そう言って私が動こうとすると、田代くんにパシッと腕を掴まれた。
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