極道に過ぎた、LOVE STORY
 「まだ、何も許してない」

 唇が離れただけのまま言った。


 「死んだら許さないって言われた気がして、生き延びたのにな」

 「夢でも見てたんじゃない?」

 彼の目を見つめたまま言う。


 「それでもいいよ。許してもらるまで一緒にいるから」


 彼も、私の目を見つめたまま言った。



 「また、勝手な事ばかり……」



 「死ぬかもれないって思った時、頭に浮かんだのは幸の事だけだった。だから、もし生きていたら、今度は絶対に幸と一緒にいるって決めた」


 本当に、勝手な奴だと思う。


 だけど、一緒にいてくれたから、どんな危険な時でも安心して向かって行けたんだ……

 今も、彼がいるだけで、何でも出来そうな気がする。


 私は私、彼は彼 

 そんな、簡単な事だったのかもしれない。


 彼は、名前以外、あの頃と何も変わっていなかった。

 整った綺麗な顔も……
 ソフトクリームが好きな事も……
 そして強引に私のそばにいる事も……


 そして、私も変わっていない。

 医者の道を歩んでいる事も……
 ヤクザの娘であることも……
 そして、彼の隣にいてしまう事も……

 大切な事は……
 きっと……


 もう一度、どちらからともなく唇を重ねた……


 どからともなく吹く風に、長い髪が頬に触れて邪魔だと思った。

 その髪を、彼の手がすくって耳にかけた。

 唇を重ねたまま……


 もしかして、これは

 「極道に過ぎた、LOVE STORY」 

      だったのかもしれない……


             〜完〜


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