エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
ふっと表情が翳る。
やっぱり何だか寂しそう。

「俺両親仲悪くてさ。自分もその血引いてるのかなと思ってね」

両親仲悪い…
それはもしかしてわたしと同じ。
崎本さんにもそんな過去が…

けれど崎本さんは…
女の人を愛せないなんてことない。
だってこんなに優しい。
わたしみたいな人間にも。

「そんなことないと思います。崎本さんが女の人愛せないなんて絶対ないです」

「そうかな?」

「というか…愛してほしいです。それで、幸せになってほしいです。だってこんなに…優しい人なんですから」

「へ?」

なぜだか崎本さんがキョトンとした顔でわたしを見ていた。

「わたし変なこと言いましたか?」

「て…いや…そんなこと言うんだと思って…」

「絶対いつか現れます。愛せる人が」

そうだ。そうじゃないとダメだ。
だってわたしの王子様だもの。

「うん。ありがと。いつか現れるような気がしてきたかも」

崎本さんがクスッと笑った。
< 36 / 301 >

この作品をシェア

pagetop