エリート商社マンはわたしの王子様~見てるだけで幸せだった推しの恋愛対象がわたしってどういうことですか?~
頭の上にあった手が少し下にやってきて、わたしの黒縁メガネをすっと取ったのだ。

「え?」

今まで防御壁みたいになっていたものがなくなって面食らう。

しかも目の前に崎本さんの美しい顔があって、じっとこっちを見つめている。

え?
いや、耐えられない。
こんなシチュエーション。

しばらくじっと見ていた崎本さんはふふっと笑った。

「ほおら。やっぱり。それで髪もあげてみな」

もう一方の手で分厚い前髪を持ち上げられた。

「え、えっとあの…」

ますます戸惑い、真っ赤になっているに違いないわたしの顔をさらにじっと見つめる崎本さん。

「原石だな」

「え?」
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