君が愛おしくて。クールなエリートSPの甘く一途な溺愛事情
何気に時計を見ると、開店時間が迫っていた。
(そろそろ行かないと)
「私、行くね。飲み物ありがとう。ご馳走さま!」
そう言って、その場を離れようとするが。
「待って」
腕を掴まれ、引き止められる。
「車で送る」
「ありがとう。でも、要くんもこれからお仕事でしょ? 今は昼間だから大丈夫だよ」
微笑んでそう言い、腕を離そうとする。
「 要くん?」
掴まれていた腕に、少しだけ力が込められた気がした。
「……僕が大丈夫じゃないんだよ」
「えっ、あっ……!」
要くんは私の手を握ると、出口に向かって歩き出す。
引っ張られるがまま、後をついていく。
「か、要くん……!」
「何?」
(何って……みんながこっちを見てる)
周りの視線は、手を繋ぐ私たちに注がれていた。
「恥ずかしがることないよ。僕たちは、恋人同士なんだから」
そう言って、要くんは顔だけこちらに振り向かせると、私の手の甲にキスをして微笑んだ。
心臓が、大きく飛び跳ねる。
(もう……どんだけドキドキさせるの……)
少し先を歩く、彼の大きな背中を見つめる。その背中はあの頃よりも逞しくて、あの頃以上に、好きだと思った。
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